2025年12月は15社上場!年末IPOラッシュの攻略ポイントを解説します

最終更新日:
2025年12月3日

 2025年12月のIPOが出揃い、上場予定数は15社となりました。2025年全体のIPO件数は66件とやや少なめですが、12月の15件というのは、昨年の17件とほぼ同じ水準です。なかでも12月12日からは10営業日連続の上場ラッシュが控えており、話題のSBI新生銀行をはじめ、さまざまな企業が上場します。

 11月IPOは負けなしで終わっており、IPO市場のムードは上向きです。12月トップバッターとなったBRANUも、公募価格の約1.7倍の初値を付け、12月は好スタートを切ったと言えそうです。この好調をキープしてラッシュを走り抜けてほしいですね。

 このコラムでは、12月IPOの傾向や攻略のポイント、注目の銘柄や申し込みに便利な証券会社まで、わかりやすく解説していきます。2025年の締めくくりとなる年末のラッシュに向け、後悔のないようしっかり準備していきましょう!

12月は昨年同様の「ラッシュ」に

 今年は東証の上場基準厳格化の影響もあり、IPO件数が控えめな1年でした。そのため「12月のIPOラッシュはどうなるの?」と気になっていた方も多いのではないでしょうか。調べたところ、2025年全体のIPO件数は66件で、2024年の86件に比べ、約3割減でした。

表は左右にスライドしてご確認ください

<2024年と2025年のIPO月別件数>

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
2025年 0 5 12 4 0 7 4 1 3 9 5 15 66
2024年 0 5 15 6 1 11 7 2 7 11 4 17 86

 ただ、12月に絞ってみると、2024年・2023年とほぼ同水準です。年間では減少傾向にあるものの、年末はしっかり「ラッシュ」と呼べる盛り上がりになりそうです。

<過去5年の12月IPO件数>

2025年 15
2024年 17
2023年 15
2022年 25
2021年 32

 なかでも12月12日~12月25日は土日を挟みつつ、10営業日連続で上場が続きます。楽しみな反面、これだけスケジュールが重なると、いつも以上に気が抜けませんね。しっかり日程を把握して、申し込む銘柄を吟味したいところです。そこで年末のIPOで押さえておきたいポイントを紹介します!銘柄選びの参考にしてみてください。

12月IPOの攻略ポイント

 12月は1年の中でもっともIPOスケジュールが過密する月です。例年のラッシュ時を参考に、攻略ポイントを3つ紹介します。

①公開株数が多い銘柄を避ける

 これは年末に限った話ではありませんが、公開株数が多い銘柄は初値が上がりにくい傾向にあります。同日上場が多くなると買いの分散により、さらに初値が上がりにくくなるので、公募割れのリスクも高まります。

参考)公開株数の"多い"過去のIPOを分析しました!

 例外として「公募価格が低い(吸収金額が低い)」、「業績が良い」、「今後の成長に期待できる」銘柄は公募割れリスクが少し減ります。とはいえ高騰は難しいため、資金を他の銘柄に回した方が効率が良いでしょう。

②再上場、赤字上場に注意

 2つ目も年末に限った話ではありませんが、再上場案件は公募割れのリスクがぐっと上がります。すでに一度上場廃止になっている状況では、大型IPOになりやすく、公開価格も割高になりやすいからです。さらに今後の成長性も期待しにくく、積極的な買いは難しいでしょう。

参考)過去の再上場案件の結果をまとめました!

 さらに赤字上場のIPOも注意が必要です。赤字の内容にもよりますが、やはり過去の事例を見ても赤字上場は厳しい結果になりやすいです。逆に前期が赤字でも、直近の決算で黒字化している場合は問題ないケースもあります。

③注目IPOに全力集中

 年末ラッシュと言えども、初値高騰が期待できる銘柄の条件は平常時と同じです。

・公開株数が少ない
・今後の成長に期待できる
・公募価格が割安

 これらの条件を満たすIPOがあったら全力集中しましょう!

 またラッシュ時には抽選日も複数重なるので、思わぬアクシデントが起こりやすくなります。
 たとえば他の銘柄で当選(補欠当選)し資金拘束された結果、目的の銘柄が資金不足で抽選対象外、または申込株数が減ることもあります。ギリギリの資金で複数銘柄に申し込むと起きやすいので注意しましょう。

 確実に抽選を受けるためにも、本命IPOに全力集中するのは有効な手です。

 では、2025年12月の注目IPOを見ていきましょう!

12月の注目IPO一覧

表は左右にスライドしてご確認ください
企業名 総合
評価
市場 申し込み
期間
上場日 当たり本数 想定価格 仮条件 公募価格 狙い目証券
AlbaLink
(5537)
C 東証
グロース
11/28
~12/3
12/15 19,791本 1,060円 1,200円
~1,300円
- 野村
SMBC日興
SBI
松井
eスマート
マネックス
ネオトレード
SBI新生銀行
(8303)
C 東証
プライム
12/2
~12/5
12/17 2,553,000本
多い
1,440円 1,440円
~1,450円
- 野村
SBI
SMBC日興
松井
岩井
岡三オンライン
大和コネクト
ネオトレード
辻・本郷
ITコンサルティング

(476A)
C 東証
スタンダード
12/4
~12/10
12/19 6,555本 1,810円 1,810円
~1,850円
- SBI
岩井
松井
大和コネクト
ネオトレード
岡三オンライン
スタートライン
(477A)
C 東証
グロース
12/5
~12/11
12/22 16,790本 440円
低価格
- - みずほ
SBI
SMBC日興
楽天
松井
岩井
リブ・
コンサルティング

(480A)
C 東証
グロース
12/10
~12/16
12/25 18,975本 920円
低価格
- - SMBC日興
SBI
岩井
マネックス
楽天
松井
マネックス
岡三オンライン
企業名 総合
評価
市場 申し込み
期間
上場日 当たり本数 想定価格 仮条件 公募価格 狙い目証券

 まず、12月15日に上場するAlbaLinkです。業績が好調な点と、想定価格を上回る強気の仮条件が発表された点が好印象です。また、年末IPOラッシュの序盤に上場するため、過密スケジュールの影響を受けにくいと考えられます。

 続いてSBI新生銀行ですが、今年最大規模の超大型上場、かつ再上場という点から、公募割れのリスクが気になるところです。一方で、SBIグループ傘下となって以降は公的資金を早期に返済し、業績も着実に伸ばしているため、企業としての評価は高まっています。さらに、高い知名度に加えて、直近で上場したネット証券の初値が堅調だったこともプラス材料です。こうした点を踏まえ、総合評価をDからCに引き上げました。公募割れの可能性は残るものの、初値上昇の余地はありそうです。

くわしくは特集コラムをご覧ください。
参考)SBI新生銀行が12月17日に再上場!初値はどうなる?

 辻・本郷ITコンサルティングは業績を毎年2倍近く伸ばしています。人気の「DX関連」かつ、公開株数が少なめなので、初値が上昇しやすい条件が揃っています。同日にパワーエックスギミックが上場しますが、辻・本郷ITコンサルティングへの買いが優先されそうなので、それほど影響はないと見ています。

スタートラインは障害者の就業支援事業を手がけており、想定価格は手ごろな440円で、業績も好調です。さらに、2025年3月に上場した同じく障害者関連事業のミライロが、公募価格比+391円(約2.4倍)の初値をつけたことも、追い風となりそうです。

 2025年最後のIPOとなるリブ・コンサルティングは、公開株数がそれほど多くなく、想定価格が920円と低めで、大きなマイナス要素が見当たりません。また、過去のデータを見ると、その年最後のIPOは初値が上がりやすい傾向があります。

表は左右にスライドしてご確認ください

<過去5年のその年最後のIPO結果>

上場日 企業名 総合
評価
当たり
本数
公募価格 初値 初値売り利益
(上昇率)
2024/12/27 ビースタイル
ホールディングス

(302A)
C 6,555本 2,070円 3,325円 +12.55万円
+60.6%
2023/12/27 yutori
(5892)
D 6,555本 2,520円 2,829円 +3.09万円
+12.3%
2022/12/29 スマサポ
(9342)
C 3,335本 800円 2,250円 +14.5万円
+181.3%
2021/12/29 Institution for a
Global Society

(4265)
C 22,025本 1,720円 2,002円 +2.82万円
+16.4%
2020/12/29 オンデック
(7360)
C 6,325本 1,550円 4,500円 +29.5万円
+190.3%

 このように、過去5年さかのぼっても全勝です。2023年上場のyutoriは、業績がいまいちで、想定価格に対して弱めの仮条件が出ていました。当サイトの総合評価もD評価(公募割れの可能性あり)でしたが、公募価格比+12.3%の初値をつけています。その年最後のIPOには、“イベント感”があり、それほど条件の良くないIPOでも買いが集まりやすいのです。2025年の締めくくりがどんな結果になるのか、注目ですね。

 注目IPOを押さえたら、次は申し込み先の証券会社選びです。IPOごとに証券会社の割当や当選本数が違うため、口座の準備をしておくことが大切です。ネット証券の中には、最短即日で取引可能なものもあるので、今からでも十分間に合います。ここからは、IPO投資におすすめの証券会社を紹介していきます!

IPOにおすすめの証券会社

 ネット証券は自宅や外出先でも気軽に口座開設が可能で、さらにはお得なキャンペーンやプログラムを実施している場合もあります。すでに証券口座を持っている方も、複数の証券会社から申し込んだり、割当の多い証券会社から抽選に申し込むことで、当選のチャンスが増える可能性があります。

 なかには、当サイト限定のタイアップ実施中の証券会社もありますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

 2025年12月のIPO分析と、その攻略ポイントを紹介しました。12月IPOは始まったばかりです。スケジュールも詰まっているので、抽選申込期間を忘れずに、しっかり申し込みを進めていきましょう!

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