トップページ > コラム > オルツ新規上場!初値予想は小幅上昇ですが、当選しやすいのが魅力的です
(2024年10月11日追記)
「600円 ~ 850円」の初値予想に対して、「570円(公募価格比+30円、+5.6%)」の初値がつきました。
「デジタルクローンP.A.I(パーソナル人工知能)の研究開発と、その技術を応用した製品の展開」をしているオルツ(260A)が、2024年10月11日に東証グロース市場へ新規上場することを発表しました!
オルツ(260A)は、統計的に初値の上がりやすい「AI関連」のIPOで、事業領域には将来有望な生成AI市場も含まれるので、このコラムでその魅力をわかりやすく解説します!ちなみに、生成AI(既存のデータを調べるのではなく、AI自身が考えて答えを出す)の国内市場は、2023年には1,188億円、2025年には6,879億円、2030年には1兆7,774億円にまで成長すると言われています(一般社団法人電子情報技術産業協会「注目分野に関する動向調査2023」より)。
「デジタルクローンP.A.I」とは、名前に「クローン」と入っているように、ユーザー自身の思考や意思、クセを反映したAIとなります。つまり、デジタル空間にもうひとりの自分を生み出し、デジタルな作業を任せることができるのです。オルツはデジタルクローンP.A.Iの実現を通じて、人々が労働から解放され、より創造的な活動に集中できる世界を目指しています。
革新的な技術の研究開発を進める中で、オルツはさまざまな製品を開発・販売しています。具体例をあげると、議事録を自動で作成・要約ができる「Communication Intelligence 『AI GIJIROKU』」や、次世代型ボイスbot AIを使った「AIコールセンター」などがあります。最近では、プログラミングコード不要で生成AIチャットボットを作成できるアプリ「altBRAIN」の開発や、生成AIの社会実装に向けて日本最大級の経営コンサルタント会社である「デロイトトーマツコンサルティング合同会社」と連携をはじめています。
ご覧のように経常利益や当期純利益の赤字が拡大しています。一見すると、「業績が悪く経営が続けられるのか?」と不安に感じるかもしれませんが、あまり気にする必要はありません。なぜなら、オルツのような先進的な商品やサービスを開発・販売していくには、まずはじめに研究開発費やその商品を世に認知してもらうための広告宣伝費に多額のお金を使わないといけないからです。
また、今回のIPOはそのための資金を調達するためのものでもあります。ちなみに、今回のIPOでオルツが新たに調達する資金は、公募株数7,500,000株に想定価格510円をかけた38.25億円になります。
下の表にIPO投資の判断をしていただく上で必要な情報をまとめました。今回はオルツ(260A)と同じ「AI」を使った製品を販売し、IPO投資の判断材料に似ている点のあった企業と比較しています。
オルツ | VRAIN Solution | JDSC | Appier Group | |
上場年月日 | 2024年10月11日 | 2024年2月22日 | 2021年12月20日 | 2021年3月30日 |
想定価格 | 510円 | 2,760円 | 1,620円 | 1,400円 |
PER | 赤字で計測不能 | 558.85倍 | 748.76倍 | 赤字で計測不能 |
公募価格 | (仮)510円 | 2,990円 | 1,680円 | 1,600円 |
初値(公募価格比) | (予)550円~750円 (+0.8%~+47.1%) |
5,190円 (+73.6%) |
1,681円 (+0.1%) |
2,030円 (+26.9%) |
初値売り利益 | (予)+0.4万円~ +2.4万円 | +22.0万円 | +0.01万円 | +4.30万円 |
想定時価総額 | 170.1億円 | 279.0億円 | 207.5億円 | 1,398.2億円 |
想定吸収額 | 52.8億円 | 35.2億円 | 45.5億円 | 264.3億円 |
公募株数 | 7,500,000株 | 210,000株 | 400,000株 | 2,697,400株 |
売出株数(OA含む) | 2,850,000株 | 1,064,000株 | 2,406,000株 | 3,187,700株 |
当選株数合計 | 10,350,000株 | 1,274,000株 | 2,806,000株 | 国内:5,885,100株 (海外:13,731,800株) |
公募株数÷当選株数 | 72.46% | 16.48% | 14.26% | 45.83% |
ロックアップ | 180日間/90日間・1.5倍 | 180日間/90日間・1.5倍 | 180日間/90日間 | 360日間/180日間 |
VRAIN Solution(135A)は、「製造業の課題を自社開発のAI製品で解決するサービス」を提供しており、上場年月日が比較的近い点から選びました。初値は、公募価格比+2,200円の+73.6%で、+22万円の利益となりました。オルツ(260A)と大きく違う点は、すでに黒字化を達成していたことと、IPO株のうち公募株数の割合が低かったこと、当選株数が比較的少なめだったことです。
JDSC(4418)は、「大手企業との共同研究開発を通じて、共通課題を解決するAIサービス」を提供しており、想定時価総額と想定吸収額が近い点から選びました。初値は、公募価格比+1円の+0.1%で、+100円の利益となりました。オルツ(260A)と大きく違う点は、すでに黒字化を達成していたことと、IPO株のうち公募株数の割合が低かったこと、主要大株主に対して“期間”でロックアップがかかっていたことです。
Appier Group(4180)は、「マーケティングとセールス領域において、企業の持つデータを最大限に活用するAIプラットフォーム」を提供しており、黒字転換できていなかった点と、IPO株のうち公募株数の割合が比較的近い点から選びました。他には、当選株数が多い点から参考データとして選びました(海外への割当もかなりあり、全体の規模でいうとオルツ(260A)の5倍近くあります)。
今回の比較では、オルツ(260A)と全体的に似た企業がありませんので、あくまで参考程度ですが、上場時に地合いが悪化していなければ、オルツ(260A)の初値は「550円 ~ 750円(9月5日時点)」となり、期待できる利益は「+0.4万円 ~ +2.4万円」になると予想します。
IPO当選で得られるリターンは数万円程度と少額かもしれません。ただ、当選株数がとても多いので、多くの人が当選して利益を得られる可能性がある案件ではないでしょうか。直近のIPOでは、「宇宙空間の衛星軌道上において、がれきの除去や燃料補給、点検・観測などのサービス」を提供しているアストロスケールホールディングス(186A)に近いイメージです。
オルツ(260A)のIPO抽選に申し込める(9月26日~10月2日)のは、大和証券(主幹事)とSBI証券(副幹事)、松井証券(事前入金なしで抽選)、大和コネクト証券の4社です。とくに主幹事を務める大和証券は、IPO(新規公開株)の80%ほどを割り当てられる可能性があります。その大和証券のグループ会社の大和コネクト証券にも通常より多くの割り当てがありますので、まだ口座を開設されていない方は、ぜひこの機会に口座をご開設ください!
オルツ(260A)の幹事証券に入っている大和コネクト証券は、大和証券グループのスマホ証券です。今回のIPOのように大和証券が主幹事のときは、委託により割り当てられる株数が通常幹事のときと比べて、とても多くなり当選の確率がぐっと高まります!
また、大和コネクト証券は割り当てられた株のうち70%が、資金量に影響されない1人1票の完全平等抽選に回されますので、どなたにも平等に当選のチャンスがあります!実際に、私も大和証券が主幹事のIPOで当選しています(アクシージア(4936)で+6万円の利益)。
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