株を買うタイミング

公開日:
2019年5月17日

 株式投資で一番難しいのは、株を買うタイミング売るタイミングです。株売買のタイミング1つで儲け損ねたり、損切りが遅れたりすることは、初心者にはよくある失敗です。どうすればよいタイミングで株取引ができるのか、対処法を考えていきます。

※ここでいうタイミングとは、株価チャートから出る売買サインではなく、長期的な投資視点で見たタイミングです。今日買って、明日売ってしまうような短期売買には不向きです。

できるだけ割安な状態で買う

 まず知っておきたいことは、株式投資の基本は、できるだけ安く買って、できるだけ高く売ることで利益が出ます。つまり、利益をより伸ばすには、できるだけ安く株を買う必要があります。ここでいう「安い」というのは、株価が安い(少ないお金で買える)という意味だけでなく、会社の価値と株価を比較したときに、割安な状態という意味も含んでいます。なぜなら、株価と言うのは、長期的な視点で見ると、本来の価値に近づくという性質を持っているので、できるだけ割安に株を買う方が上昇余地も大きく有利になるのです。

 しかし、ここで1つ困ったことがあります。どんな状態が割安なのかわかりにくいのです。

 日常のお買いものでは、売っている商品を割安で買う(バーゲン価格で買う)ことはわかりやすいですが、株式投資となると、とたんに値段(株価)の感覚がわからなくなってしまいます。例えば、いつも5,000円で売っている服が、バーゲンセール2,500円になっていれば、割安でお得感があると思います。

 一方、株の場合だと、5,000円の株価が2,500円になったら、お得感を感じるよりも、不安に感じる方が強いのではないでしょうか?株価が下がった原因にもよりますが、もし、5,000円の価値がある株を2,500円で買えるのであれば、願ってもないバーゲンセールと言えます。

 そこで、株価がお得かどうかを判断するための指標を紹介します。

株価の割安度を知る方法

 株式投資で割安度を測る代表的な指標には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)があります。これらの基本を押さえておきましょう。

(出典:SBI証券

 PER(株価収益率)とは、株価と純利益の関係を示していて、株価が1株あたりの利益の何倍まで買われているかわかります。PERは数字が低いほど割安で、企業の成長ステージや業種によっても異なりますが、一般的には15倍以下が割安と言われています。

◎PER(倍)=株価÷1株あたりの利益

 PBR(株価純資産倍率)とは、株価と純資産の関係を示していて、株価が1株あたりの純資産の何倍まで買われているかわかります。PBRも数字が低いほど割安で、企業の成長ステージや業種によっても変わりますが、一般的には1倍以下が割安と言われています。PBR1倍と言うのは、解散価値と考えられていて、PBR1倍以下の会社は、株価より純資産が大きい状態なので、会社が事業を辞めて清算したときに、株主が儲かる数字と言われています。

◎PBR(倍)=株価÷1株あたりの純資産

 この他にも、理論株価と言う考え方があります。理論株価とは、会社が経営している事業やこれまでに稼いできた財産などを使って計算し、本来あるべき株価を導き出します。それと現在の株価を比較して、理論株価よりも今の株価が低ければ割安と言えます。GMOクリック証券の分析ツールを使うと、銘柄コードを打ち込むだけで、理論株価がかんたんに出てきます。

トヨタ自動車(7203)の場合、株価(6,502円)は理論株価(10,909円)と比較して、40%割安でした。
<出典:GMOクリック証券

 詳しい使い方などは、株価分析ツールの紹介ページ(やさしい株のはじめ方)を参考にしてください。

 買いタイミングも難しいですが、売りタイミングはもっと難しいと言われています。次のページで、大事なポイントを押さえていきます。

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