株を売るタイミング

公開日:
2019年5月29日

 「株を売ってから株価が上がって悔しい…」とか、「あの高値のときに売っておけばよかった…」というのは、投資をしたことがある人なら、誰しも一度は体験しているはずです。

 もちろん、株価のピークで売ることができれば良いのですが、現実的には難しく、ほぼ不可能に近いので、自分が納得できるポイントを見つけてそこで売ることになります。そのためには、自分で売り時のルールを作っておき、それに従うことが大切です。

 株を売るパターンとしては、株価が上がったときに売る「①利益確定パターン」と、株価が下がったときに売る「②損切りパターン」では、そもそも考え方が変わってくるので、それぞれに分けて考えていきます。

①利益確定パターン

 まずはじめにお伝えしたいことは、冒頭でも触れたように、株価のピークで売ることはできないことです。なぜなら、株価のピークはほんの一瞬ですし、そこがピークなのか、さらに株価が上がるのかは、後になってからでないとわからないからです。投資を始める前から、ピークで売ることができないとわかっていれば、その前後で売却しても後悔はやわらぐかもしれません。

 さて、利益確定をする目安ですが、私は株価上昇によって割安が解消されて、フェアバリュー(「株価=会社の価値」 の状態)まで株価が上がったときは、基本的に売るようにしています。しかし、例外的に、株価が勢いよく上がり、フェアバリューを超えた場合はすぐには売りません。一旦、株価が天井を付けたことを確認してから売るようにしています。

※「フェアバリューをどうやって知るか」ですが、1つの方法としては、前ページ(株を買うタイミング)で紹介した、GMOクリック証券株価分析ツールを使って調べる方法があります。「理論株価」と「株価」を比較して調べます。

(出典:GMOクリック証券

②損切りパターン

 私が株を買うときは、自分なりに会社の業績予測をするのですが、この予想が悪い方にハズレたときに売るかどうかの検討をします。「一時的な要因」で業績が悪いときに売りたい気持ちをこらえて我慢して保有します。例えば、「お店を閉店したので費用が掛かった」、「野菜の値段が高騰した影響を受けた」などの要因です。

 しかし、一時的ではなく、恒常的に業績に悪い影響を与えそうな「ビジネスモデルの崩壊」が確認されたら、株価がどう動いても関係なく、すべての株を売り切ります。私が損切りをする唯一のパターンがこれです。例えば、「ゲームの流行が終わってしまった」、「出店を続けていても売上があまり伸びない」などの要因です。

 見方を変えると、株価が下がったという事実だけでは、絶対に損切りをしません。株価変動ではなく、会社の価値の変動に投資判断の軸をおいているからです。価値が一定で、株価だけが下がった場合、それはいわゆる「バーゲン品」ですから、むしろ買いのチャンスです。株価下落が「バーゲン品」なのか、「欠陥品」なのかを見極めなくてはなりません。

 ベストなタイミングで売買することは神技です。「まあ、このあたりでいいかな」という気楽な気持ちで臨みましょう。相場の格言にもあるように、「頭としっぽはくれてやれ」の精神ですね。

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