8.新NISA口座でIPOの利益を非課税にする

 IPO株を当てたときに使える裏ワザを紹介します。それは、「2024年から始まった新NISA(ニーサ)口座の成長投資枠を使って、IPO株の利益にかかる税金を無料(非課税)にする」方法です。

※NISAとは、限られた投資額において株式や投資信託の売却益(値上がり益)などを非課税にする制度のことです。NISAは2014年から始まり、2024年から新NISAとなりました。新NISAでは、非課税投資枠が、投資信託への投資のみを対象とした「つみたて投資枠」と、投資信託に加えてIPOを含む株式への投資も対象とした「成長投資枠」の2つがあり、併用できます。

新NISAの成長投資枠を利用したIPO株投資をより詳しく知りたい方は、「【新NISAの戦略】成長投資枠の売却による復活・再利用でIPO株投資」をご覧ください。

 ここまで読んでいただいた方なら、もうお分かりかと思いますが、IPO株は初値で売ることでほぼ利益が出ます。その利益に対しては、約20%課税されることになっていますが、NISA口座を使えば税金が無料となります。
※正確には20.315%ですが、このページでは分かりやすくするため、20%で計算しています。

 実際の投資例をご覧ください。

  2023年に大幅に初値が上がった、「Fusic(5256)」で計算してみましょう。公募価格が2,000円、単元株数が100株だったので、投資金額は20万円です。新NISA口座の非課税投資枠(成長投資枠)は年間240万円までなので、余裕で収まります。Fusicの初値は6,530円になったので、初値で売ったと仮定して、利益を計算すると45.3万円です。仮に、この45.3万円にかかる税金(20%)を計算すると…

 ・株の利益にかかる税金 
 ■45.3万円×20%=9.06万円!!


 なんと、約9.06万円も税金で取られてしまいます…。せっかく45.3万円の利益が出ても、税金分で36.24万円に目減りしてしまうのです。…しかし、これが課税口座(普通の証券口座)ではなく、新NISA口座(成長投資枠)に預け入れしておけば、この税金は取られずに済むのです。

 全体的に、IPO株の初値は上がりやすい特性があるので、新NISA口座とは非常に相性が良いと言えます。

IPO視点から選ぶおすすめのNISA口座

 では、実際にどの証券会社でNISA口座を開設すれば良いのでしょうか?そもそもIPO株が当選しないとNISA口座に預け入れできません。つまり当選チャンスが多い証券会社を選んだ方がNISA口座を活かせます。
 結論から言うと、SBI証券SMBC日興証券の2社がおすすめです!

証券会社 IPO取り扱い数
(2024年)
うち主幹事数
SBI証券
おすすめ
76 11
松井証券
おすすめ
55 0
楽天証券 54 0
SMBC日興証券
おすすめ
52 22
マネックス証券 50 0

 上の表は2024年のIPO取り扱い数一覧ですが、SBI証券がIPO取り扱い数で1位です。SMBC日興証券のIPO取り扱い数は5位ですが、主幹事数で1位です。主幹事になると、公開株数のうち80%近くが割り当てられるので、それだけ当選本数が多くなります。
 つまりこの2社は、取扱数が多い=抽選回数が多い、主幹事実績ある=当選本数が多いことがある、と2つのポイントにより当選しやすい証券会社とも言えます。

 さらに、注目したいのはこの2社のIPO抽選方法です。
 SBI証券は、「3.IPOチャレンジポイントを貯めて使う」で紹介したように、IPOチャレンジポイントによる配分があります。IPOにコツコツ申し込んでポイントを貯めれば、理論上いつかはIPOに当選します!
 実際に管理人もリプロセル(4978)で当選実績があり、初値売りで+146万円の利益が出ました。今は2度目のポイント当選に向けてポイントを貯めています。

 SMBC日興証券は、資金量に左右されない1人1票の抽選がおこなわれる完全平等抽選を採用しているので、資金量が少ない初心者の方にも十分当選チャンスがあります!
 また、完全平等抽選で外れた後にステージ別抽があるのですが、こちらはステージが上がるごとに当選確率がアップします!上位のステージは条件が厳しいですが、今なら新規口座開設3か月間ブロンズステージを体験できます!

SMBC日興証券IPO優遇特典

 以上のように、IPO投資の視点からは、SBI証券SMBC日興証券をおすすめします!

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