トップページ > コラム > NTTドコモが住信SBIネット銀行のTOBを発表!ネット証券とネット銀行の連携まとめ
2025年5月29日、NTTドコモは住信SBIネット銀行の公開買い付け(TOB)を発表しました。
<引用:NTTドコモ公式サイトより>
TOBによる株式取得とSBIホールディングスからの株式譲渡により、NTTドコモの持ち株比率は65.81%となり、住信SBIネット銀行はNTTドコモの連結子会社となります。
残りの約34%を保有する三井住友信託銀行はそのまま持ち分を維持し、NTTドコモと三井住友信託銀行の2社を株主としたまま株式が非公開化される見通しです。
住信SBIネット銀行は2023年3月に東証スタンダードに上場しました。TOBが成立すれば上場からわずか2年での株式非公開化になります。
このコラムでは今回のTOBについて解説します。さらにTOB成立で変動がありそうな、「ネット証券とネット銀行の連携」についても確認しておきましょう!
まず買収するNTTドコモと買収される住信SBIネット銀行についてまとめます。
NTTドコモはNTTの傘下で、大手通信会社の1つです。2023年からはマネックス証券と資本提携しています。ドコモ、ソフトバンク、KDDI、楽天の大手通信キャリア4社の中で、NTTドコモだけがグループ内に銀行がない状態が続いており、NTTドコモ内でも課題とされていたようです。住信SBIネット銀行が子会社となれば、念願の銀行業参入となるだけでなく、同行のメインユーザーである若年層を取り込めるメリットもあります。
子会社となる住信SBIネット銀行は、楽天銀行と並ぶネット銀行の最大手で、三井住友信託銀行(SMTB)とSBIホールディングスの共同出資会社です。 サービスの1つであるSBIハイブリッド預金を利用すると、預金口座をSBI証券と連携させることができます。ほぼリアルタイムかつ無料で資金移動できるため、オンラインで取引する個人投資家から高い評価を得ています。
冒頭でも触れましたが、住信SBIネット銀行がNTTドコモの連結子会社になります。そしてその後株式非公開化される予定です。
NTTドコモはSBI証券と住信SBIネット銀行の連携を強化すると強調していることから、SBIハイブリッド預金は継続する可能性が高いでしょう。
一方で、NTTドコモはマネックス証券と資本業務提携を結んでいるため、住信SBIネット銀行とマネックス証券で新しい連携サービスがはじまるかもしれません。
では、SBIハイブリッド預金をはじめとして、各社どのような連携サービスがあるのか、一覧表で確認しましょう。
証券会社 | ネット銀行 | 連携サービス | 自動入出金 | 優遇金利 | IPO購入余力 |
---|---|---|---|---|---|
SBI証券 2,500円プレゼント |
住信SBIネット銀行 | SBIハイブリッド預金 | ![]() |
年0.21% (ハイブリッド預金口座のみ) | ![]() |
SBI新生銀行 | SBI新生コネクト | -※2 | 年0.40% | - | |
楽天証券 | 楽天銀行 | マネーブリッジ | ![]() |
年0.28%(普通預金残高300万円までの分) 年0.22%(普通預金残高300万円を超える分) |
![]() |
三菱UFJ eスマート証券 (旧auカブコム証券) 2,500円プレゼント |
auじぶん銀行 | auマネーコネクト | ![]() |
普通預金金利に年0.10%上乗せ | ![]() |
GMOクリック証券 | GMOあおぞらネット銀行 | 証券コネクト口座 | ![]() |
年0.21%(証券コネクト口座のみ) | - |
※1.普通預金口座からハイブリッド預金に振替が必要
※2.リアルタイム入出金は可能(振替が必要)
※3.普通預金口座から証券コネクト口座に振替が必要
先ほどネット証券とネット銀行の組み合わせを5パターン紹介しましたが、中でもIPO投資向きの組み合わせを紹介します!
SBI証券は、IPOの取り扱い数は国内トップクラスで、主幹事を請け負うことも多いため、IPO投資には外せない証券会社です。IPOチャレンジポイントをためると当選しやすくなる、ユニークなシステムも魅力です。
IPO株の取扱数を年々増やし、存在感が増しています。ほとんどの銘柄の上限が100株に設定されているため、ほぼ完全平等抽選なのがうれしいポイントです。
楽天銀行の口座は楽天証券以外でも、さまざまな楽天のサービスと連携できるので、単体でも利用機会が多いネット銀行です。
生活で利用するサービスを楽天グループのサービスにすることで、楽天ポイントを効率的に貯められるため、『楽天経済圏』と呼ばれています。楽天市場ユーザーであれば、楽天証券と楽天銀行の組み合わせは必須です!
上記2社と比べるとIPO取り扱い数は少ないものの、原則1人1票抽選のため、資金量が少なくてもチャンスがあります。スマホがauであれば、auじぶん銀行に口座開設するメリットは大きいです。こちらは『au経済圏』と呼ばれています。
NTTドコモが住信SBIネット銀行へのTOBを成功させれば、ドコモ、ソフトバンク、KDDI、楽天の大手通信キャリア4社すべてが銀行と連携することになります。「経済圏」と呼ばれるユーザーの囲い込み競争が活発化し、決済サービスやポイント付与などサービス面での向上が期待されます。
一方で、住信SBIネット銀行がNTTドコモ傘下に入るということは、ネット証券とネット銀行の組み合わせが一部変わります。SBI証券と住信SBIネット銀行の連携サービスが変更・再構築される可能性も否定できません。逆にマネックス証券と住信SBIネット銀行の新たな連携サービスが開始される可能性もあります。
いずれにしても、便利になる方向で変化していくのであれば、ユーザーにとっても大きなメリットです。TOB成立後の動きに注目しましょう!
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